【新潟市中央区西大畑】古さを生かしたヴィンテージスタイルのリノベーション

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鈴木亮平

新潟市在住のフリーランスの編集者・ライター(屋号:Daily Lives)。1983年生まれ。企画・編集・取材・コピーライティング・撮影とコンテンツ制作に必要なスキルを幅広くカバー。紙・WEB問わずコンテンツ制作を行う。

※本物件は2017年2月に入居者が決まり募集は終了しています。

瀟洒な住宅街に立つヴィンテージマンション

新潟市中央区西大畑にある“ときわマンション”。柾谷小路を古町方面から海に向かって進んでいくと、営所通りを過ぎてから緩やかな坂道が始まる。途中の道沿いには新潟県知事公舎、人気のレストラン“ネルソンの庭”があり、落ち着いた優雅な空気を感じさせる。そんなエリアの高台に築43年のヴィンテージマンション“ときわマンション”は立っている。

1階には小さなフランス料理店があり、その横がマンションの入口だ。エレベーターで6階へと上がり廊下を歩いていくと、一番奥に今回紹介する販売中の部屋がある。

販売価格は1,395万円。広さは64.59平米。今年の3月にリノベーションが完了したばかりだ。元々は細かく区切られた細切れの間取りだったが、一度躯体だけの状態になるまで解体をした後に内装を新しく作るスケルトンリフォームを行った。

新しい間取りは1LDKとなり、個室は寝室があるだけで、後は水回り以外はゆったりとしたワンルームとなっている。

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くつろげるワンルーム。リビングからダイニング&キッチンを望む。
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平面図

マンションの歴史を感じさせる、ラフなリノベーション

こちらのマンションのリノベーションを手掛けたのは、デザイン性の高い店舗や住宅設計を得意とする株式会社モリタ装芸(新潟市中央区鳥屋野)のリノベーション部門「classicaL」のデザイナー小倉直之氏(33)。

「クロスを貼って新しく見せるのではなく、むしろマンションの歴史を感じられるようにコンクリートの梁をむき出しにして、塗装で仕上げたりしています」と小倉氏。

こちらの部屋は、細かく間仕切りをして要素を詰め込むのではなく、大胆に広いスペースをつくり出すことで、ゆったりとくつろげる設計となっている。

また、素材にもこだわりが詰まっており、床材は集合住宅でよく用いられる安価な複合フローリングではなく、鉄刀木(タガヤサン)という堅木の無垢材だ。高級感を感じさせるダークブラウンの無垢が空間全体を引き締めている。

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天井はシーリングライトではなく、温かみのあるスポットライトとペンダントライトを使用。
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かつては2部屋に分断されていたが、壁や建具を取り払うことで開放感を獲得。隣家側の壁は一面収納にしている。
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オレンジ色のソファが空間になじみ、主張しすぎないアクセントとなっている。
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リビングから玄関側の掃き出し窓が見える。窓を開ければ風通りもよく、さらに空間の広がりも感じられる。

そして、造作の家具も空間に一体感を与えている。大工工事によって作られたTVボードやキッチンの前面パネル、吊り棚にカップボードなど、シンプルながらも使い勝手が良く、そのラフな雰囲気がこのヴィンテージマンションによく似合っている。

モリタ装芸のリノベーションの粋を詰め込んだモデルルームとして作られたこの部屋は、担当デザイナーの小倉氏が空間デザインから照明や家具のセレクトまでトータルでディレクションをして仕上げた。プロによる徹底したプロダクトアウトで作られた部屋のため、非常に完成度の高い空間となっている。

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現したコンクリートの梁にダクトレールを付け、スポットライトを配した。照明は分散して配置し、夜は一層穏やかな心地よさが感じられる。
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空間に合わせて、キッチン前のパネルにも木を使った。吊り棚がカフェやバーのような雰囲気を演出。
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洗面台はすっきりとした造作。トイレの壁は左官仕上げで落ち着ける雰囲気に。
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リビングの入口から眺める全景。天井が高く、海外のおしゃれなヴィンテージマンションに遊びに来たような気持ちにさせる。

お一人様や、夫婦での暮らしを豊かに

個室が1つという間取りから、独身者か夫婦2人だけの暮らしにぴったりの設計となっている。3方向に開いているため、どの部屋にいても自然光が明るく差し込むのもこの部屋の特徴だ。

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寝室のクローゼットは建具ではなく、鳩目タイプのカーテンで目隠しをしている。掃き出し窓の向こうにはもう一つのベランダが。
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シンプルな空間にペンダントライトから美しい光がこぼれる。

対面式のキッチンはカフェやバーのような趣を感じさせる。ゆったりとしたリビング&ダイニングは大勢の友達が集まってもリラックスして過ごせる余裕がある。

休日の午後に食材の買い出しに行き、ゆっくりと仕込みをして、夕方に仲間たちを招いて和やかなパーティーをして過ごしたくなりそうな、そんな居心地の良さを感じさせる。

高台に建ち、なおかつ6階ということで部屋からの眺望もいい。窓の正面には海岸手前の松林が眺められ、潮騒が聞こえてきそうな気がする。

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窓からは日本海タワーが見える。

青空がとても大きく見えるのもこの部屋だからかもしれない。「日中もいいですが、夕日が松林へと沈んでいく時間や、夜もまたいい雰囲気なんですよ」と小倉氏。

丁寧につくり込んだ空間だけでなく、日々の時間の移り変わりも特別な体験として感じられる。

鉄筋コンクリート造のマンションは無機質で冷たいものと思われがちだが、このリノベーションルームは情感があふれており、これまでにない楽しい毎日が始まりそうな予感をさせる。

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玄関扉を開けるとたっぷりの収納と、自転車を置ける広めの土間が。正面は有孔ボードで自由に物が掛けられる。
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玄関土間に立つと奥の窓の向こうまで目線が抜けるため、実際の面積以上の広がりが感じられる。
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株式会社モリタ装芸の建築士、小倉直之氏。20代の頃は都内の飯田橋にある大手設計会社でセンスを磨き、その後新潟へUターンした。

※本物件は2017年2月に入居者が決まり募集は終了しています。

–物件DATA–
価格:1,395万円
延床面積:64.59m²
所在地:新潟市中央区西大畑町601-5
竣工年月:1973年7月
構造:鉄筋コンクリート造(RC造)
詳細情報はコチラ

問い合わせ先:日生不動産販売 株式会社
住所:新潟市中央区上近江4-2-19 日生不動産ビル1F
電話:025-285-1080

設計・施工:株式会社 モリタ装芸

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鈴木亮平

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